2016年10月11日 (火)
根管根充(根管充填)は、歯科で行われる根管治療のプロセスのひとつです。
歯の内部組織(歯髄)を取り除いて整形した穴(根管)に人工物を流し入れ、その隙間をふさぎます。この時根管に充填されるのは、後で固まる性質を持つゲル状物質か、熱や薬剤で軟化する固形物かのいずれかになります。現在、歯科で用いられているのは固形物系のガッターバーチャと呼ばれる物質で、セメントをつけて充填されるのが一般的です。
根管根充には『側方加圧充填』と『垂直加圧充填』の2通りの方法があり、それぞれに長所と短所があります。
側方加圧充填では、太さの異なるガッターバーチャ製の充填材を隙間に押し込んで塞ぎます。根の先まで緊密に差し込むのが難しいことや、根管の細かい枝分かれには対応しづらいといった短所を抱えています。一方で、充填前に根管を削る量が少なくなるため、歯の強度を保つことは容易です。
垂直加圧充填の場合は、熱や薬剤により軟化させたガッターバーチャ製の充填材を分割し、少しずつ根管に加圧して詰めていきます。根の先までしっかりと充填剤が行き届きますが、その分根管をきれいな形に整形する必要があり、歯の切削量も多くなります。大臼歯や犬歯など、一部の歯では根管根充を行えないことも、この方式の短所と言えるでしょう。
いずれの方法でも、根管への充填が不十分な場合には、術後に歯の痛みや剥離などのトラブルに見舞われる可能性があります。必ず信頼のおける歯科医に相談し、適切な根管治療を受けてください。
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